建築士の池辺慶太さんにアレコレ質問してみる企画、前編では好きな食べ物やミュージシャン、建築士になった理由などが判明しました。
建築についての質問が中心の後編、スタートです!
ご自身が好きな場所、土地や風景を見つけることです。実は環境って、建物よりも大切なんですよ。
え、そうなの?カッコイイ建物だったらいいんじゃない?どうせ過ごすのは家の中だし。
建物・建築にできることは、万能ではありません。その土地の持ってる性質の中で、最善の設計をしていくのが建築なんです。周りに何があるか、何が建っているかなどもとても大切。利便性はもちろん、由布岳や鶴見岳が見える、海が見えるなど、それだけで生活に豊かさが生まれます。
なるほどー。確かに、窓からでっかい山が見えたら気分がいいかも!
できる限り時間をかけ思いを巡らせ、試行錯誤を繰り返すことです。時間が足りないと深さが足りず、インスタントなものになりがち。案件をあれこれ考えながら生活することで、図面をひく以外の時間にヒントを得られますから。
確かに!ちょっと時間を置いて、散歩中とかお風呂の中で思いついたりすること、あるなぁ。
もちろん、TPOはわきまえますよ。納期が決まった案件ならその通りに対応します。
雪山が見える湖畔の家。サウナ小屋がついてる家ですね。
それイイですね!THE・憧れの家という感じがします。
ギャップや振れ幅の大きな家がおもしろくていいですよね。極寒の中でサウナとか、辺境の地でネットフリックスを観るとか。
めちゃくちゃイイじゃないですか、それ!
飽きないところが楽しいですね。設計は奥が深く、何にでも関連性があります。正解が無いので、飽きることもありません。
施主さんや現場の人たちと話をしながら作っていくので、人とのコミュニケーションも楽しいです。建物ができあがった時の喜びがピークに達する感じも好きだし、モヤモヤしていたものが目の前で空間になるところも楽しいです。
いつでも楽しいなんて、理想的な仕事!
もともと飽きっぽい性格なんですけど、建築だけは私の心を掴んで離さないんです。
くぅ〜〜!!言ってみたいセリフベスト3に入りそうな名言キター!
目にするものの水平を気にします。軸になる水平垂直はしっかりしていないと気が済まなくて。
わ、建築家っぽい!
あと、襟なしシャツやモノトーンカラーを好むっていうのもありますね(笑)。今では普通に売ってますけど、昔は自分でシャツの襟を切っていました。
徹底してるな〜(尊敬)。
「向日市の家」は、築100年以上の木造骨組みをコンクリートで補強して、現代的な暮らしを実現しました。「最初は壊して新しくしたい」との希望だったんですが、昔ながらの京都の町家を壊すのはもったいないと思い、説得したんです。
うわぁ、いいなー。趣があるのに古臭い感じはなくて、いいなー。
骨組みの状態まで解体して、建物を浮かせてコンクリートの基礎を打ち、L字の壁を打ち込みました。新しさだけでは生まれない、味わいのある家です。
「田無の家」は、3代続く理容室の店舗と、4世代が居住する家を合体させました。土地が狭いので、立体的な構成にして、距離感をデザインした家です。
こんなところに建ってる!
店舗は1階が理容室、中2階では奥さんがヘッドスパをする空間です。住居の方には3〜4世代入るかもという話で、それぞれがつながりを持つように設計しました。
また、玄関までのアプローチ部分は、斜めのストライプ柄にしました。これは「理容室のくるくる回るアレ」をモチーフにして、電車内から見て目立つようにするためです。
本当だ!これは楽しい仕掛けですね。
この建物は、時間をかけてお施主さんやチームのみんなで作りあげました。プロセスが楽しくて印象的ですし、気持ちのいい建物になりましたね。
いろんな世代から愛される店舗・住居なんですね。
たくさんの質問に答えていただき、ありがとうございました!池辺さんのことや、池辺さんの建築愛をたっぷり聞けて楽しかったです。
ありがとうございました。
次はどんな建物ができるのか、楽しみ!
建築士の池辺慶太さん、どんな質問にも丁寧にわかりやすく、その上おもしろく答えてくださいました。
もっと詳しく質問してみたい、すごく気になるからお話をしたい!と思ったあなたは、ぜひ下記からご連絡ください。お待ちしています!
大分の建築士さんに聞きたい13のこと|別の記事はこちらから