んー、困(くま)ったな。どの建築士さんにお願いしたらいいのか、さっぱりわかんないや。
どうしたの、くまた。家でも建てるの?
うん、そうなんだ。でも建築士さんの選び方がわからないんだよね。建築士さんって、スゴイ人たち過ぎて近寄り難い雰囲気があるじゃない?気軽に変な質問とかしたらダメ、みたいな。カッコいい家を作る人は芸術家肌で、センスもよくて、ぼくみたいな平凡な奴が話しかけてもいいのだろうか……
いやいやいやいや、さすがにそんな卑屈にならなくても大丈夫でしょ。
僕も家を建てたけど、建築士さんってそれぞれみんな個性的でおもしろいよ。まずは話をして人柄を知るのがいいかもね。
そのとっかかりすらないから、困(くま)ってるんだよ……
よし、じゃあ「Doする」と提携している建築士さんに話を聞いてみようか。
まず「YRAD(イラッド)のおふたりに話を聞いてみよう!
うん、そうしよう!
建築士さんに根掘り葉掘り質問してみる企画、第一弾はタッグを組んで活動する「YRAD」のおふたり、榎本さんと田中さんに登場してもらいました。
榎本亮祐(エノモト・リョウスケ)、40歳です。
田中 悠希(タナカ・ユウキ)40歳です。
幼少期はジェッキー・チェンやシルベスター・スタローンなどアクション映画です。うちにビデオデッキがなかったので、親戚のおじさんの家にVHSを持っていって観てましたね。
建築のプロジェクトを進めるときに、映画の例えをよく使うよね。
確かに、映画や音楽などで例えて共通の認識をしたりするかも。最近はサブスクのアマゾンプライムやネットフリックスで映画やドラマを鑑賞しています。「イカゲーム」や「ドント・ルック・アップ 」「新聞記者」もおもしろかったですよ。
わかるなー。僕もオリジナルドラマ目当てでネトフリ加入しちゃった仲間です。
私は絵本ですね。ピアノの先生だった親戚の家に洋書がたくさんあり、その中の絵本を眺めるのが好きでした。文字の配置や余白のとり方など、完全に今につながる感覚を養っていたような気がします。「ムーミン」シリーズやサンタさんの話、日本のものでは「ぼくは王さま」シリーズが好きでした。
今はショップカードやタグ、箱やショッパーペーパーなどペーパーアイテムを収集しています。前世で紙袋に困ったのかな?と思うくらい、たくさんありますよ。飲み終わった後のコーヒーカップとかも、ロゴの配置や素材など気に入ったら捨てられません。
飲み終わったコーヒーカップはヤバイ!!!
お好み焼きとたこ焼きですね。ふたりとも粉モンが好きです。僕はソースがかかっていれば大体OK。あとマヨネーズも!連日食べたいですね。セブンイレブンのお好み焼きとたこ焼きが、案外美味しいんですよ。おまけに安いし。
私はサラダバーだけでお腹を満たしたいくらい野菜が大好きです!ほかにはラーメン、パスタ、そうめん、温麺、冷麺など、麺も好きです。大分で温麺・冷麺を食べるなら、下郡の「やまと」がおすすめですよ。
「やまと」は美味しいですよね!僕も好きです!
洋楽も邦楽も色々聴きます。特別に好きなミュージシャンを挙げるなら、エイフェックスツインですかね。高校時代はパンクやヒップホップ、大人になってからはロックや電子音楽などを聴くようになりました。
やばい。その感じめっちゃわかります。
雑食で洋楽を聴くことが多いですが、邦楽も聴きます。FUNKやAcid Jazz、70年〜80年代の音楽は全般的に好きですね。
僕も好きです!お互い趣味の合うところもありますが、違うところもありますね。
私は中学から洋楽が大好きで、日常にダンスミュージックがありました。18歳から15年くらいDJ活動もしていたんです。当時はクボタタケシさんが好きでしたね。あと、Anchorsongさんも好きです。たまたま遊びに行ったクラブでライブをしていたのを見てハマりました。
このご時世であまり行けてないですが、家族でフェスに参加したり。
高校生の時、モノづくりの仕事がしたいと思ったのがきっかけです。資格制度もあるので、潰しがきく職業だと思い、方向性を決めました。学生時代、飲食店でのアルバイトが楽しくて「料理人もいいかも」と思ったことはありますけどね。どうしても建築家になりたい!と、強い意思があったわけではないですが、そんなにブレずに進んできました。
「建築士に、俺はなる!」みたいな意気込みがスゴイのかと、勝手に思ってた……。
私は服飾学科にいたので、ファッションデザインなどに興味を持っていました。でも大学2年生のときに「あなたは建築をやったほうがいい」と先生に言われて。先生が言うなら可能性があるかも、と大学院まで行きました。
その後、さっきも話に出たように、音楽が好きでDJをしたりイベントをしたりしていましたが、周りに建築関係の人が意外と多くて。人が集まる空間が好きで、それを作りたい、デザインしたいと考えるようになったんですよね。
おふたりとも、小さい頃から建築士になると決めていたわけではないんですね。人に歴史ありだなー。
親の転勤で、一人暮らしをするまでは5回も引っ越ししました。家というよりも、県が変わると環境がまったく違って、県民性や文化の違いが印象に残っています。違う県でも似ていて懐かしく感じることもあるし、地域性って無視できないですよね。
5回も引っ越しは大変!関東と関西だと食べるものとか全然ちがうもんなー。
私が住んでいたのは由布院から大分市内に移築した洋館です。広い縁側(榑縁)や長い廊下に竹垣があり、その途方も無い感じが印象に残っています。しょっちゅう廊下で足の小指を強打していた記憶もありますね。
想像しただけで痛いやつ……。洋館って素敵ですね〜!
祖母も母もお茶の師範(先生)なので、お弟子さんが何十人も集まる家で。にじり口のある本格的な茶室があったんです。着物の大人たちが狭いところから入っていってみんな座ってる……と、子どもながらに不思議な光景だなと思っていました。洋間の寝室には古いレコードとレコードプレーヤーがあり、その雰囲気が好きでしたね。
和洋折衷の洋館、すんごいお嬢様じゃないですか……!
いえいえ、そんなことはないんですよ。
好きな建築家はたくさんいますが、特に注目しているのはヴァレリオ・オルジアティです。彼はスイスの人で、独創的。カニエ・ウエストがクライアントだったりするんですよ。建物はもちろん、資料や作品集がカッコいいんです。
ヴァレリオ・オルジアティ|Instgram
資料がかっこいい!?そんな視点があるんですね。田中さんは?
私が注目しているのはOFFICE(Kersten Geers David Van Severen/オフィス・ケルステン・ゲールス・ダヴィッド・ファン・セーヴェレン)です。図面を見るとカチっとしていて、構成がかっこいい。パースの表現が好きで、素敵だなと思います。イギリスの画家デイヴィッド・ホックニーに影響を受けているので、そんな絵のようなパースなんですが、それがよくて。建築物だけでなく、考え方や資料、相手に見せるものなどの表現も含めて好きです。
OFFICE|Kersten Geers David Van Severen
図面を見てかっこいいと思う、っていうのは建築家さんならではな感じですね〜。
いやー!あまりにおもしろくて、思わずいろいろ突っ込んで聞いてしまいまいました。まだまだ続くので、ここで一旦休憩。後半に続きます。
大分の建築士さんに聞きたい13のこと|別の記事はこちらから